ノルディックスキーのワールドカップ、ジャンプ女子個人第9戦で、
高梨沙羅選手がスキー板の長さ違反で失格となり、物議を醸しています。
彼女は2022年にもスーツの規定違反により失格になっていました。
SNSでは「アスリートとしての自覚が足りない」という声から
「大会からのいやがらせを受けている?」という声まで様々な反応があります。
そこで今回は失格の内容と、実際いやがらせを受けている可能性があるのかどうか調べてみました。
規定違反
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スキージャンプの規定違反かどうかの判定はどうやら、競技を終えた後
つまり、飛んだ後に抜き打ちで行われているそうです。
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格闘技のように事前に計量をして、規定を調べるわけではないんですね!
2022年
2022年のスーツ規定違反による失格は北京オリンピック、
2月7日に行われた新種目の混合団体戦での出来事でした。
日本の1人目を任された高梨選手は、1回目で100メートルを超える大ジャンプを記録しましたが
スーツの規定違反によりまさかの失格に。
この大会は異例の人数の失格者が出た大会となりました。
- 日本:高梨沙羅
- オーストリア:ダニエラ イラシュコ・シュトルツ
- ドイツ:カタリナ・アルトハウス
- ノルウェー:アンナ オディーネ・ストロン、シリエ・オップセット
いずれも高梨選手同様、メダル獲得を期待される実力者たちでした。
海外メディアでも
「この日のスーツの検査は本当におかしい。厳しすぎるし、こんな試合が、オリンピックなんてあり得ない」
“このことは、他の多くの選手たち基本的には競技全体、そしておそらくスキージャンプのイメージやルールの適用にも影響を及ぼした”
などと反応をしていました。
また、同じく失格となった強豪国の選手らも
「何が起こっているのかわからない。内部ベルトが1センチ大きかったので規定に合わなかったが、そんなことは起こるはずがなかった。今となってはそれにも確信が持てないでいる。ほかのメンバーはみんな素晴らしいジャンプだったので、とても申し訳ない。このオリンピックを本当に楽しみにしていたのに」
と反応を見せていました。
一体何が
当時の環境は標高1650メートルの地点にあり、1回目のジャンプが行われたころの気温はマイナス10度ほどで、
湿度は38パーセント。ジャンプ台付近は、厳しい寒さのうえ、空気は乾燥していました。
空気が乾燥していて体内の水分が放出されやすく、寒さで筋肉が縮みやすくなった、と分析しています。
スーツの規定は非常に厳しく、1~3センチ規定より大きいまたは小さいと失格となってしまいます。
当時のコーチは
「選手は何もわからないでスタートしている。ちゃんと合わせられなかったスタッフのミスだ」
と語っていました。
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厳しい環境下で規定サイズに調整するのは、人間の身体を把握しなければいけないですね
今回
今回違反とされたのはスキー板の長さによるものでした。
選手が使用できるスキー板の長さには決まりがあり、それは選手のBMIによるのだそうです。
BMIとは
(スーツを含めた)体重÷身長÷身長によって算出される数値
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また、BMIの数値によって身長の何%の長さのスキー板を使用することが出来るのかまで
細かく定められているそうです。
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本当に細かく定められていますね
今回高梨選手は1回目のジャンプは失格とはなりませんでした。
スーツも板も同じものを使用した2回目で失格となりました。
つまり、気温の低い過酷な環境下で体重が変化し、BMIが変化してしまったと考えられます。
いやがらせの真実
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今回2度目の高梨選手の失格を受けて、
「大会からのいやがらせではないか」という声が挙がっていましたが
結論からいうといやがらせではない可能性が高いと思いました。
調べてみると、確かに日本人選手が活躍した大会以降にルール既定の変更が
多々行われているようでした。
しかし、それは日本側もしっかりと賛成している事実があります。
そして、スキージャンプの規定は日本人にのみ不利に働く仕様ではなく
その他の強豪国にも影響が出ていました。
前述した2022年の大会では高梨選手含めて5名もの選手が失格となり、
2019年の大会では5名の失格に加え、試合終了直後に2位と3位に位置づけをしていた選手が失格となり
順位が大幅に変わったこともあったようです。
まとめ
今回2回目の失格をしてしまった高梨選手ですが、
規定の厳しさ、環境の厳しさを考えると仕方のないことだと言えるかもしれませんね。
ただ、選手、コーチ陣、スタッフも事前に知っていることではあったと思うので、
未然に防ぐこともできたかもしれません。
今後はスーツの大きさに余裕を持ったり、競技に入る前に毎回体重を測るなど
厳しい規定の違反にならない工夫が必要になると思いました。
今回の失格を糧に、試行錯誤してほしいですね!
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